α1-アンチトリプシンPittsburgh |
α1-アンチトリプシンの活性中心部位のメチオニン358が、アルギニンに変異している、1アミノ酸変異蛋白質(機能変異)です。変異の結果、活性中心がMet-Serからアンチトロンビンの活性中心と同じ構造のArg-Serに変わり、それに伴い、エラスターゼ阻害からトロンビン阻害へと阻害する蛋白質の特異性が変化します。α1-アンチトリプシンはアンチトロンビンに比較しそのモル濃度は高く、またアンチトロンビンとは異なり、ヘパリンが存在しなくても阻害活性を発揮することから、流血中においてもα1-アンチトリプシンピッツバーグはトロンビンを阻害でき、その結果の出血傾向を呈することになります。さらにα1-アンチトリプシンは正の急性相蛋白であり、このため感染症などの炎症反応時に上昇するため、出血傾向が悪化することになります(通常アンチトロンビン値は低下します)。
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常染色体顕性(優性)遺伝形式です。
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出血傾向を呈しますが、特に炎症時には症状が悪化します。
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アンチトロンビン活性が異常高値を示します。
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特異的な治療法はありません。
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